以下は2016年8月23日パトリック・ヘンセルディーンのフェイスブックに掲載されたUN SECRETARY-GENERAL WAS ASSASSINATED(国連事務総長は暗殺された)を訳したものです。
(サイトアクセス:2016年8月18日)
2016年8月1日、国連事務総長、潘基文(バン・キムン)は、前任者のダグ・ハマーショルドが南アフリカ海上研究所(The South African Institute for Maritime Research) によって暗殺されたという疑惑について調査再開を提案した、と「フォーリン・ポリシー」誌が報じた。 この研究所はアパルトヘイト時代にCIA,英国諜報機関、そしてコンゴのベルギー鉱業会社によって支援されていた準軍事組織である。
南アフリカ政府が最近、ハマーショルドを殺害するための「セレステ作戦」という策略が詳細に記述されている原文を発見したことによって調査再開の声が高まった。これらの書類のコピーが最初に公になったのは、1998年に南アフリカ国諜報局がデズモンド・ツツの真実和解委員会に、1993年の南アフリカ共産党指導者クリス・ハニ暗殺に関するファイルを提出した時である。
「極秘」マークの付いたひとつの文書には、南アフリカ海上研究所(SAIMR)と英諜報機関の代表らによる会合について記述があり、CIA局長のアレン・ダレスが、「ダグが厄介になってきた...取り除かれるべきだ。」と言ったと報告している。
英国局員らは、その文書(コピー)はソ連が偽造した可能性が高いとして直ちに否定した。スエーデン元外交官のベント・ロシオ(Bengt Rosio)、そしてMI5(英国保安局)とCIA(米中央情報局)もまた、この文書が偽装物であるとして、ハマーショルドの死に関与したことを完全に否定した。
しかし、これらの文書は, キース・マクスウェル=アナンデール、自称提督がSAIMRの局長であり、南アフリカ軍事諜報局と国家情報局の両方と関係を築いていた時期に発せられた他の文書と酷似している。
これらの文書はSAIMRが1981年にセイシェルで起こった、大統領アルベール・ルネを失脚させるための失敗に終わったクーデターを画策し、そして、1990年の成功裏に終わったソマリアでのクーデターの背後にもいたことを示している。
https://wikispooks.com/wiki/Dag_Hammarskj%C3%B6ld/Death
国境なき医師団が毎年発表する「マスコミで報道されない10大人道的危機リスト」に10年以上続けてランクされているコンゴ民主共和国での紛争はまさに「見えない戦争」だ。その死傷者数は第二次世界大戦以来最大の540万人を超えたにもかかわらず日本で報道されることはほとんどない。これは地域民族紛争として捉えられがちだが、欧米諸国、周辺アフリカ諸国、多国籍企業などの国際的な利権が複雑に絡み合って起こった「人道的危機」である。
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2016年9月4日日曜日
2016年4月17日日曜日
米国、サウジ、トルコが「反乱軍」に、アサドとロシアと戦うための対空ミサイル配布を検討
以下は2016年4月15日にグローバル・リサーチに掲載された、ブランドン・ターべヴィル(アクティヴィスト・ポスト)による、
を訳したもの。(アクセス:2016年4月16日)
(投稿題はタイトル訳)
伝えられるところによれば、CIAは、現在ジュネーブで行われている「停戦合意」が崩壊した場合には、彼らがシリアで2011年に危機が勃発した当初から支援してきたテロリスト軍の戦闘能力を増大するという計画を検討している。議論の中心は、聖戦主義者がシリアとロシアの空軍によりよく対処できるように武器を供給することだ。その中心は、携帯式防空ミサイルシステムから、ソ連時代のBM-21グラッド・ミサイルなどの携帯式ではないものを含む各種の対空砲を送る可能性についてである。
ウォールストリートジャーナルの報告によれば、CIAは「連合メンバー」に、もし停戦が崩壊して「全面的な戦闘」が再度始まった場合には、シリアの大統領バシャール・アル=アサドと戦う勢力への支援を増大することを「暫定的に保障した」。ただし、米国はシリア政府と戦うテロリストに武器を与える新たな試みにおいて、戦場でどの武器が導入されるべきかを決める権利があると宣言した。
この、米国と「有志連合国メンバー」との話し合いは、ワシントンポストが「Bプラン」と呼ぶものの一部で、シリアの停戦協議が崩壊し、戦闘が再開されたときのものだ。
もちろん、アルカーイダとISISテロリストたちに携帯式防空ミサイルシステムを供給するというのは文明国の市民に幾つかの脅威をもたらす。第一に、もしテロリストが地上から航空機を打ち落とす手段を手に入れたならば、微妙な標的を狙ったテロ攻撃によって世界各地で一般人の乗る飛行機が上空から打ち落とされる危険にさらされる。つまり民間の乗客は、テロリストとして知られている人物や組織が地上から彼らを狙うことが可能な強力な武器を手に入れたことでリスクを負うことになる。もし実際に携帯式防空ミサイルシステムを供給されたテロリストが、その結果として民間の飛行機を標的にした場合、不可避的に起こる罪もない一般市民の死亡に対して米国、トルコ、サウジアラビアは直接責任を負うことになる。
第二に、もしテロリスト「反政府軍」がかなりの量の携帯式防空ミサイルシステムを手に入れたならば、シリアとロシアの空軍に新たな、より大きな脅威がもたらされる。ウォールストリートジャーナルによれば、米国当局者はすでにこの件をロシア側に伝えており、それは真摯に協議するというよりも、脅しに近い調子でなされた。
ウォールストリートジャーナルは、米国の「当局者」がロシアに、「全面戦闘が再開されれば、<より多くのロシアパイロットを危険にさらすことになる>。」と示唆する「プライベート・メッセージ」を伝えたと報告している。「もし停戦が崩壊し、協議が何の発展も見られず、我々が全面的な内戦に立ち戻るとすれば、すべての掛け金はなくなる」とオバマ政権高官がロシア政府に言ったとウォールストリートジャーナルは引用している。「外部のパトロンは二倍、三倍、彼らが、ずっと多くの致死性武器を含む、シリアに投入できるもの全てを出すだろう。」
つまり、アメリカの立場は、もし戦闘が再開(シリア政府と、幽霊「穏健派反乱軍・庇護下のテロリスト」間での、という意味だが)されれば、米国はロシアのパイロットを脅かす形でテロリストへの支援を再開するというものだ。ロシアは自国の軍隊人員への脅しを軽く受け取ることを、まずしないことから、米国は煽動的以上の出方をしたことになる。ロシアが単に退却したり、ロシアの戦闘機が撃墜されることを「取り立てて騒がない」と考えるのは非現実的である。
US, Saudi, Turkey, Discuss Delivering Anti-aircraft Weapons To “Rebels” for Use against Assad, Russia
を訳したもの。(アクセス:2016年4月16日)
(投稿題はタイトル訳)
伝えられるところによれば、CIAは、現在ジュネーブで行われている「停戦合意」が崩壊した場合には、彼らがシリアで2011年に危機が勃発した当初から支援してきたテロリスト軍の戦闘能力を増大するという計画を検討している。議論の中心は、聖戦主義者がシリアとロシアの空軍によりよく対処できるように武器を供給することだ。その中心は、携帯式防空ミサイルシステムから、ソ連時代のBM-21グラッド・ミサイルなどの携帯式ではないものを含む各種の対空砲を送る可能性についてである。
ウォールストリートジャーナルの報告によれば、CIAは「連合メンバー」に、もし停戦が崩壊して「全面的な戦闘」が再度始まった場合には、シリアの大統領バシャール・アル=アサドと戦う勢力への支援を増大することを「暫定的に保障した」。ただし、米国はシリア政府と戦うテロリストに武器を与える新たな試みにおいて、戦場でどの武器が導入されるべきかを決める権利があると宣言した。
この、米国と「有志連合国メンバー」との話し合いは、ワシントンポストが「Bプラン」と呼ぶものの一部で、シリアの停戦協議が崩壊し、戦闘が再開されたときのものだ。
「シリアで2月27日の深夜から効力を持つ停戦合意の前夜に、中東の諜報機関長らが会合し、停戦後に戦いを追行する計画を立てた。この件に関する協議はそれ以来ずっと続けられている。」
アダム・エントゥスがウォールストリートジャーナルに書いたように、
これらの会合で、この討議について報告を受けた当局者は、有志連合メンバーがCIAから、シリアの穏健反政府勢力への支援を拡大する許可を与えられるという暫定的な保障がなされた、と述べた。有志連合メンバーはBプランの概要について同意したが、米政府がBプランの特定の武器システムを、戦場に導入する前に許可する必要がある。
新しいシステムは同意された上で、Aプランの停戦と、同時進行の恒久平和への政治的試みが崩壊して、全面的な戦闘が再度始まったときのみ、反乱軍に与えられるものだということをCIAは同盟諸国に明確に示した、と当局者は述べた。
反政府軍を支援するという、CIAの同盟諸国へのメッセージについて、「この同意は、必要とあらば要求水準を上げるためのものだ、」と米高官は述べ、政府が現在重点を置いているのは、戦闘停止への道を見つけることと政治的話し合いた、と加えた。
CIAのスポークスパーソンは、この案件について話すことを断った。
このBプランに関する討議は、今週ジュネーブでバシャール・アル=アサド政権代表と反対勢力が国連仲介による交渉を開始する準備をしているときに行われた。
武器リストを明らかにするのは、オバマ政権の、シリア紛争での敵をけん制すると同時に、穏健派反政府勢力を支援している米国の有志連合パートナーが自分たちだけでことを進めるのを防ぐ、という舞台裏でのより広い試みの一部である。「Bプラン」についての協議はワシントン、アンカラ、リヤド間で行われている。多くの専門家は、テロリストが最も必要とするのは、技術支援と、アサドの砲弾と空軍を打破し、回避するための電子手段であると主張している。後者の目的には、シリアの地上のテロリスト支援武器の正当な選択肢として携帯式防空ミサイルが取り上げられている。だが、報告が示唆するところでは、米国はそれらを供給することを躊躇している。それにもかかわらず、トルコとサウジアラビアは、携帯式システムを供給することに非常に熱意を持っていると伝えられている。
もちろん、アルカーイダとISISテロリストたちに携帯式防空ミサイルシステムを供給するというのは文明国の市民に幾つかの脅威をもたらす。第一に、もしテロリストが地上から航空機を打ち落とす手段を手に入れたならば、微妙な標的を狙ったテロ攻撃によって世界各地で一般人の乗る飛行機が上空から打ち落とされる危険にさらされる。つまり民間の乗客は、テロリストとして知られている人物や組織が地上から彼らを狙うことが可能な強力な武器を手に入れたことでリスクを負うことになる。もし実際に携帯式防空ミサイルシステムを供給されたテロリストが、その結果として民間の飛行機を標的にした場合、不可避的に起こる罪もない一般市民の死亡に対して米国、トルコ、サウジアラビアは直接責任を負うことになる。
第二に、もしテロリスト「反政府軍」がかなりの量の携帯式防空ミサイルシステムを手に入れたならば、シリアとロシアの空軍に新たな、より大きな脅威がもたらされる。ウォールストリートジャーナルによれば、米国当局者はすでにこの件をロシア側に伝えており、それは真摯に協議するというよりも、脅しに近い調子でなされた。
ウォールストリートジャーナルは、米国の「当局者」がロシアに、「全面戦闘が再開されれば、<より多くのロシアパイロットを危険にさらすことになる>。」と示唆する「プライベート・メッセージ」を伝えたと報告している。「もし停戦が崩壊し、協議が何の発展も見られず、我々が全面的な内戦に立ち戻るとすれば、すべての掛け金はなくなる」とオバマ政権高官がロシア政府に言ったとウォールストリートジャーナルは引用している。「外部のパトロンは二倍、三倍、彼らが、ずっと多くの致死性武器を含む、シリアに投入できるもの全てを出すだろう。」
つまり、アメリカの立場は、もし戦闘が再開(シリア政府と、幽霊「穏健派反乱軍・庇護下のテロリスト」間での、という意味だが)されれば、米国はロシアのパイロットを脅かす形でテロリストへの支援を再開するというものだ。ロシアは自国の軍隊人員への脅しを軽く受け取ることを、まずしないことから、米国は煽動的以上の出方をしたことになる。ロシアが単に退却したり、ロシアの戦闘機が撃墜されることを「取り立てて騒がない」と考えるのは非現実的である。
シリア内のテロリストはすでに少数の携帯式防空ミサイルシステムを得ているが、CIAはこれらが「不法な経路」から購入されたと主張している。しかし、多くの研究者は、これらがCIAから供給されたか、少なくともサウジアラビアかトルコからのものだとみている。 CIAはこの「Bプラン」についてスプートニックが水曜日に連絡したときに、コメントすることを拒否した。
2016年2月17日水曜日
シリアで穏健派が見つからないなら、過激派を扮装させればいい
以下は2016年2月11日にランドデストロイヤーレポートに掲載された、トニー・カルタルッチの、
BBCの「反乱軍司令官」は扮装している
最近掲載された、「シリア紛争:反乱軍は英国と米国から’見捨てられたと感じている’」、と題するBBCのビデオレポートで、BBCのクエンティン・ソマーヴィルは、トルコから「極秘で」米国に支援された反乱軍と連絡を取ったと述べた。「遠隔」インタビューとされたものは、ソマーヴィルが、状況があまりにひどくて反乱軍と接触できなかった、と言っていたにもかかわらず、両側のロケーションともプロの撮影班によって行われていた。そのBBCのインタビューを受けた「アレッポに居る反乱軍上級司令官」は、他でもない、ヤセル・アブドゥルラヒムその人であった。
一度も戦場で着られたことのない真新しいパリッとした「自由シリア軍」の制服で現れ、同じように新ピカの「自由シリア軍」の仏植民地旗の横に座っていたにもかかわらず、ヤセル・アブドゥルラヒムは存在しない「自由シリア軍」に所属も提携も全くしていなかった。
実際彼は、アルカーイダのテロリストとムスリム同胞団の過激派からなるファイラク・アッシャム(Faylaq Al-Sham) の司令官であった。ソマーヴィル自身によれば、ファイラク・アッシャムと、その司令官ヤセル・アブドゥルラヒムは、アルカーイダ系のアハラール・アッシャムとジャイシュ・アル・イスラムを含むファタハ・ハラブという大きな上部組織の一部である。後者のジャイシュ・アル・イスラムは、シリアとロシアの空爆に対して、屋根の上の金属の檻に一般市民を入れて、文字通り人の盾として使った。
人権ウオッチは、「シリア:武装集団が攻撃を抑止するため檻に入れた人質を使う」と題するレポートで、以下を明らかにした。
米国国務省の「イラクのアルカーイダの別名、アル・ヌスラ戦線のテロリスト指定」と題する、アル・ヌスラを外国テロリスト団体リストに載せた公式な声明書では、
皮肉なことに、欧米のメディアの偽りを通して、アル・ヌスラは、「シリアの人々の闘争を自分たちの邪悪な目的のために」、完全に乗っ取ることをずっと支援されてきたようだ。
この、BBCの最近のインタビューで、アルカーイダのメンバーそのものと、その系列団体を扮装させた嫌悪すべき行為は、2007年にハーシュが記述した策謀を救済することを目的とした、より大きな偽装パターンに合致する。しかし、昨年の終わりにロシア連邦がシリア政府の招聘により、この紛争に介入することによって、このパターンは打撃を受けた。
最悪なのは、BBCが、彼らのファタハ・ハラブ - アルカーイダ傘グループ司令官を「自由シリア軍」のメンバーに扮装させ、「アメリカ後援の」と公言していることだ。
これはBBCが、彼らがインタビューした人物が本当は誰なのかを、聴衆者から、さらに偽ろうとしているか、それとも、米国が、実際テロリストグループと、その連合に資金を与え、米国務省自らの外国テロリストリストに載っている組織を増幅させていることを、うっかりと告白してしまったかのどちらかだ。
どちらにせよ、BBCが放映したような、注意深く脚色された製作物でも、欧米の「反乱勢力」の残りの、テロリスト的正体を隠蔽する意図的なこころみであることが簡単に暴露される。それが、シリア政府と、そのロシア、レバノン、イラクそしてイランの同盟勢力が、この戦争を終わらせてシリアの全ての領土で秩序を完全に回復させることの必然性をさらに強めることになる。
普通の衣装を着た、明らかにテロリストである「反乱勢力」と協議することを欧米が押し付けられたならば、ばかげたものとして決して受け入れないだろう。ならば、地球上に存在する他のどの国も、欧米がそのような条件を押し付けてきたら受け入れるべきでないだろう。
In Syria, If You Can't Find Moderates, Dress Up Some Extremists
を訳したものです。(アクセス:2016年2月11日)
(投稿題はタイトル訳)
英国放送協会(BBC)の最新の製作物は、見え透いていて、胸が悪くなると同時に、滑稽でもある。
シリアとロシアによる、国を奪回するための効果的な攻撃にさらされ、欧米に支援されたテロリスト軍が崩壊し始めるに伴って、欧米のメディアが放出している、必死の形相を増したニュースの見出しを読むとき、「穏健派反乱軍」とか、「穏健派反政府勢力」などの用語がよく使われるが、欧米のメディアが実際、それらに相当する具体的な派閥の名前や、その指導者の名前をひとつも挙げることができないことに、読者は気づくであろう。
その理由は、穏健派が存在しないし、したこともないからだ。2007年以来米国は、シリア政府を崩壊させ、中東全域におけるイランの影響を不安定化するために、アル・カイダ系の過激派を武装させ、資金を与える企てを行ってきた。
シーモア・ハーシュの2007年の記事、「方向転換:政府の新しい政策は、対テロリズム戦で敵を利しているのか?」で暴露され、はっきりと以下のように記されている。
その理由は、穏健派が存在しないし、したこともないからだ。2007年以来米国は、シリア政府を崩壊させ、中東全域におけるイランの影響を不安定化するために、アル・カイダ系の過激派を武装させ、資金を与える企てを行ってきた。
シーモア・ハーシュの2007年の記事、「方向転換:政府の新しい政策は、対テロリズム戦で敵を利しているのか?」で暴露され、はっきりと以下のように記されている。
米国もまた、イランとその同盟国であるシリアを狙った極秘作戦に参加していた。これらの活動の副作用は、アル・カイダに同調し、米国に敵対的なスンニ派の過激派グループを後援してきたことだ。
欧米のメディアが、そのますます扇情的になるニュースの見出しで言い続ける「破局状態」は、シリアで今日行われている、シリアとロシアの防衛作戦の予測できる結果、ではなく、ハーシュが2007年に記述し、議論の余地なく実行されてきた、2011年に始まった、「アラブの春」に名を借りた策謀の結果だ。
欧米が実際、いわゆる「穏健派」の名前や人物を挙げるときには、彼らが直接アル・カイダに繋がっていたことが簡単にわかる。
BBCの「反乱軍司令官」は扮装している
最近掲載された、「シリア紛争:反乱軍は英国と米国から’見捨てられたと感じている’」、と題するBBCのビデオレポートで、BBCのクエンティン・ソマーヴィルは、トルコから「極秘で」米国に支援された反乱軍と連絡を取ったと述べた。「遠隔」インタビューとされたものは、ソマーヴィルが、状況があまりにひどくて反乱軍と接触できなかった、と言っていたにもかかわらず、両側のロケーションともプロの撮影班によって行われていた。そのBBCのインタビューを受けた「アレッポに居る反乱軍上級司令官」は、他でもない、ヤセル・アブドゥルラヒムその人であった。
一度も戦場で着られたことのない真新しいパリッとした「自由シリア軍」の制服で現れ、同じように新ピカの「自由シリア軍」の仏植民地旗の横に座っていたにもかかわらず、ヤセル・アブドゥルラヒムは存在しない「自由シリア軍」に所属も提携も全くしていなかった。
実際彼は、アルカーイダのテロリストとムスリム同胞団の過激派からなるファイラク・アッシャム(Faylaq Al-Sham) の司令官であった。ソマーヴィル自身によれば、ファイラク・アッシャムと、その司令官ヤセル・アブドゥルラヒムは、アルカーイダ系のアハラール・アッシャムとジャイシュ・アル・イスラムを含むファタハ・ハラブという大きな上部組織の一部である。後者のジャイシュ・アル・イスラムは、シリアとロシアの空爆に対して、屋根の上の金属の檻に一般市民を入れて、文字通り人の盾として使った。
2013年の12月に、アドラ・アル・オマリアの近辺で武装集団と政府軍が戦っていたときに、ジャブハット・アル・ヌスラ(ヌスラ戦線)とジャイシュ・アル・イスラムは、数百人もの民間人を誘拐し、国連シリア諮問委員会によれば、その殆どがアラウィー派であった。これらの人質の多くは女性と子供たちで、東グータのどこかに監禁されている。彼らが、これらの(写真)檻の中のひとびとではないかと懸念される。人権ウオッチのレポートは、それがヤセル・アブドゥルラヒムのファタハ・ハラブのメンバー、ジャイシュ・アル・イスラムが関わっているという点で警戒を促させるものだ。ジャイシュ・アル・イスラムは、米国務省のテロリストグループ・リストに載っているジャブハット・アル・ヌスラと協力し、共に戦っているからだ。
米国国務省の「イラクのアルカーイダの別名、アル・ヌスラ戦線のテロリスト指定」と題する、アル・ヌスラを外国テロリスト団体リストに載せた公式な声明書では、
2011年の11月から、アル・ヌスラ戦線は、600以上の攻撃を行ったと主張し、それらにはダマスカス、アレッポ、ハマー、ダラー、ホムス、イドリブ、ダイル・アル・ザワルなどの主要都市中心部での、40以上の自爆攻撃から、小火器と簡易爆発物作戦などが含まれる。これらの攻撃中、数多くの罪のないシリア人が殺された。これらの攻撃を通してアル・ヌスラは自分らをシリアの正当な反政府勢力の一部であるように見せようとしてきたが、実際はイラクのアルカーイダ(AQD)が自分たちの邪悪な目的のために、シリアの人々の闘争を乗っ取ろうとしたものだ。
皮肉なことに、欧米のメディアの偽りを通して、アル・ヌスラは、「シリアの人々の闘争を自分たちの邪悪な目的のために」、完全に乗っ取ることをずっと支援されてきたようだ。
この、BBCの最近のインタビューで、アルカーイダのメンバーそのものと、その系列団体を扮装させた嫌悪すべき行為は、2007年にハーシュが記述した策謀を救済することを目的とした、より大きな偽装パターンに合致する。しかし、昨年の終わりにロシア連邦がシリア政府の招聘により、この紛争に介入することによって、このパターンは打撃を受けた。
アレッポが、明らかにテロリストである勢力から、まさに開放されようと揺れているときに、BBCのプロパガンダは、シリアの人々の苦しみを終わらせるのではなく、恒久化させる否定的な試みを代弁する宣伝を進めてきた。
最悪なのは、BBCが、彼らのファタハ・ハラブ - アルカーイダ傘グループ司令官を「自由シリア軍」のメンバーに扮装させ、「アメリカ後援の」と公言していることだ。
これはBBCが、彼らがインタビューした人物が本当は誰なのかを、聴衆者から、さらに偽ろうとしているか、それとも、米国が、実際テロリストグループと、その連合に資金を与え、米国務省自らの外国テロリストリストに載っている組織を増幅させていることを、うっかりと告白してしまったかのどちらかだ。
どちらにせよ、BBCが放映したような、注意深く脚色された製作物でも、欧米の「反乱勢力」の残りの、テロリスト的正体を隠蔽する意図的なこころみであることが簡単に暴露される。それが、シリア政府と、そのロシア、レバノン、イラクそしてイランの同盟勢力が、この戦争を終わらせてシリアの全ての領土で秩序を完全に回復させることの必然性をさらに強めることになる。
普通の衣装を着た、明らかにテロリストである「反乱勢力」と協議することを欧米が押し付けられたならば、ばかげたものとして決して受け入れないだろう。ならば、地球上に存在する他のどの国も、欧米がそのような条件を押し付けてきたら受け入れるべきでないだろう。
2016年1月27日水曜日
アルカイダ系のジャイシュ・アル・イスラムがシリア「和平交渉」に参加
前回の投稿「シリア軍の空爆で、2013年ゴータでの化学兵器テロ攻撃の指揮者が死亡」は、ジャイシュ・アル・イスラム(イスラム軍)の司令官、ザハラン・アッルーシュに関するものだったが、同ジャイシュ・アル・イスラムの、ザハラン・アッルーシュの親族であるモハンメッド・アッルーシュが「和平協議」の反体制派の連合、高等交渉委員会(HNC)代表団の一人に指名された。
以下は2016年1月26日にグローバルリサーチに掲載されたステファン・レンドマンによる、
Al Qaeda Affiliate Jaish al-Islam Slated to Participate in Syrian “Peace Talks” を訳したものです。(アクセス:2016年1月26日)
*投稿題はタイトル訳
月曜日に、国連アラブ連盟共同特別代表のステファン・デミストゥーラは、期日を発表せずに、誰が参加するかを示唆した。知られているところでは、ジャイシュ・アル・イスラム(イスラム軍)を含む、米国とサウジアラビアに支援されたテロリストグループが参加する。
以下は2016年1月26日にグローバルリサーチに掲載されたステファン・レンドマンによる、
Al Qaeda Affiliate Jaish al-Islam Slated to Participate in Syrian “Peace Talks” を訳したものです。(アクセス:2016年1月26日)
*投稿題はタイトル訳
月曜日に、国連アラブ連盟共同特別代表のステファン・デミストゥーラは、期日を発表せずに、誰が参加するかを示唆した。知られているところでは、ジャイシュ・アル・イスラム(イスラム軍)を含む、米国とサウジアラビアに支援されたテロリストグループが参加する。
この組織以外に、米国とサウジに支援された、どのテロリスト団体が参加することになるかは、デミストゥーラがどの名前を挙げるかによるが、この状況は疑問を喚起せずには居られない。
もし和平交渉の一方が、シリアの破壊と、人民によって選ばれた政府を外部の勢力によって決められたものに挿げ替えることに従事し、シリア人民は、誰が彼らの指導者になるかについて意思表示することができないとしたら、この交渉が正当であるなどと言えるであろうか。
オバマと無法者同盟諸国が、シリアでの政権が取り替えられるまで、ISISや他のテロリスト団体を帝国の歩兵として使う終わりのない戦争を望んでいるときに、どうやって和平交渉が成功するであろうか。ジュネーブでの第一回と二回の和平協議は失敗に終わった。今回も、以前のものより成果が出るとは期待できない。デミストゥーラ自身、どう転んでも「道は険しく」、ほぼ、不可能な使命(ミッション・インポッシブル)であると認めている。
近距離交渉が計画されており、双方が直接対面するのではなく、西欧諸国がコントロールする国連の交渉者らが、シャトル外交による仲裁を行い、この過程が少なくとも6ヶ月は続くが、進展が困難な行き詰まり状態になった場合には、これよりもずっと早く終わることになる。
協議の最初の数週間は、人道支援の増加、ISISとの戦闘、そして、戦いを続けている選ばれたテロリスト団体との停戦交渉に焦点が置かれる。反アサド穏健派戦闘員は存在しないが、存在するという神話がずっと主張されてきた。デミストゥーラの主張する、米、サウジに支援されたテロリストと「戦闘の停止」の交渉ができるというのは、まったくの御伽噺に過ぎない。5年近くにもなるオバマの、終わる見通しのないテロ戦争自体が、そのことを物語っている。
シリア政府の代表団は、国連特使のバシャール・アル・ジャーファリが率いる。高等交渉委員会(HNC)と呼ばれる反政府連合は、イスラム軍の中心的なテロリストで、連続殺人魔のモハンメッド・アルーシュを、この連合の代表として指名した。この指名は、和平交渉が到着直後に頓挫することになる、と鋭い批判を受けた。
誰が、自分の喉もとにナイフをつきつけ、恐ろしい残虐行為を犯し、それをやめる兆候が全くなく、米国とサウジの最大の援助を受けているものと交渉することができるであろうか。
今までに書いたものの中で強調したことを繰り返すことになるが、戦争で破壊されたシリアに平和と安定が、すぐに回復される可能性は、事実上ゼロだ。
Copyright © Stephen Lendman, Global Research, 2016
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