KONY2012は一連の「戦争と派兵を売るための情報操作」の一つであり、ソーシャルメディアをたくみに使ったという以外は特に目新しいものではない。草の根のNGOを装い、正義感は強いがナイーブでアフリカをチャリテイーやアメリカが「救う」対象として見るような若者達を動員することに成功した。しかしこれは米軍をウガンダに送ることを「KONYを捕まえて国際刑事裁判所に引き渡す」という表向きの理由によって正当化しようというものだ。KONYが現在ウガンダにいないことなどは問題ではないのだろう。
ジャーナリストのキース・ハーモン・スノウによれば、KONY2012キャンペーンを行っているインビジブル・チルドレンという団体だけでなく、ENOUGH、STAND、RESOLVE、RAISE HOPE FOR CONGOといった非営利団体はすべてセンターフォーアメリカンプログレスというワシントンにあるシンクタンクから援助を受けるなどの関係を持っており、このシンクタンクは米諜報機関と深いつながりがある。ENOUGHは俳優ジョージ・クルーニーが関わっていることで有名な団体だが、その設立者ジョン・プレンダーガストも以前諜報機関に属していた人物だとハーモン・スノウは述べている。
米国の援助を受けていたアンゴラの反政府軍リーダー、ジョナス・サビンビが米国がMPLA政府側援助に乗り換えた直後にあっさりと殺害されたように、米国諜報機関がKONYを見つけて殺害しようと思えば数日を要さないであろう。それをしないのは彼のような「極悪非道」な人物が米軍派遣やウガンダ政府への軍事援助の理由として必要だからだ、というのがハーモン・スノウの見方だ。
興味のある方はインタビューをご覧ください。
http://www.youtube.com/watch?v=vO9HL99itSU